FOMC、サプライズハト派発言
ドル円は11月13日に高値151.88円をつけてから今日までに142.13円まで急降下しました。約10円の下落です。特に、今週は12月7日に行われた日銀の植田総裁の国会でのチャレンジング発言「年末にかけて来年にかけて、一段とチャレンジングな状況になる」によって市場はチャレンジングという言葉に大きく反応しました。「これはマイナス金利政策がようやく解除されるのではないか」という噂が広まり、ドル円がその一時141円まで割り込みました。しかしその数日後、日銀の関係者の発言で「今月急ぐ必要はほとんどない」というリーク情報が入り、ドル円は再び円安方向に進みました。そして迎えたFOMC。注目されていたパウエルさんの発言では「ここより利上げをすることはない。来年は利下げを3回行っていくのは当然のこと」という内容で、想像以上にハト派発言で日米金利差が縮小したことによりドル円が再び円高方向に向けて歩み始めました。まだドル円の下落局面は終了した兆しはなく、来週の火曜日の植田総裁の発言に世界中が注目しています。世界中では今まで上げてきた金利を少しずつ下げていく兆しが出ている中で、日本だけはマイナス金利を維持してきました。日本だけが世界の流れに逆方向に進むのか、果たしてどうなるのか。ここでマイナス金利を解除できるかどうかですが、私自身の考えではマイナス金利を解除するのは厳しいという印象です。もしマイナス金利を解除したとすれば、ドル円はさらに円高方向に進み、130円も視野に入ってくるでしょう。
円高は今の日本株にとってネガティブか
ドル円が下がると円高、つまり円の価値が上がると言われています。それでは円の価値が上がれば、日本株は上がるんじゃないの?と考える方がいらっしゃるかもしれません。しかし、今の日本株には円高はネガティブな印象です。なぜなら、輸出関連銘柄や海外で販売している自動車産業などは円安である方が売上が伸びるのです。ドル円が何円で売上予想を立てているのかはその企業によって異なりますが、例えばドル円が145円で売上予想を立てていれば、130円まで下がった場合には円ベースでの売り上げは縮小してしまい、企業は下方修正を出さざるを得なくなるのです。ここ1年くらいは円安メリット銘柄は急激に円安方向に進んだために売上が出ていました。しかしその円安も終わり円高に歩みを進めています。実際に日経225の日足を見てみると、植田総裁のチャレンジング発言によって日経225は一時下がっています。また、FOMCのパウエルさんの発言でも一時下がっていました。つまり、現在の状況ではドル円と日経225には多少相関性が見られるということです。そして需給も悪く、信用の買い残が過去一番多い状況でもあるので、日経225の上値は非常に重たい状況です。どちらかというと売り方優勢な状況です。さて来週の日銀会合、植田総裁はどう動いてくるのか?楽しみです。
※投資は自己責任・自己判断でよろしくお願いします。責任は一切終えませんので、ご了承ください。
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